育児介護休業法改正⑤~情報提供(40歳等)~

(1)改正の概要

介護制度に関わる情報提供の概要

(2)解説

①いつから?
2025年4月からスタートしています。

②対象となる事業所は?
「全事業所」が対象です。(企業の規模や業種を問わず適用)

③改正のポイントは?
ずばりポイントは、「情報提供の時季」です。
おすすめは、「40歳になる年度」での情報提供です。
(法律上では、「40歳に達した日の属する年度」又は「40歳に達した日の翌日から1年間」と
なっています。)

なぜ、40歳付近での周知が義務づけられたかというと、40歳になると、すべての人にとって、介護保険料の支払いが始まります。

つまり、社会の仕組みとして「介護」がぐっと身近になる年齢なのです。

だから、このタイミングで会社から介護と仕事の両立に関する情報を伝えるのは、とても自然で分かりやすい、というわけです。  

また、実際に親が70代に近づき、介護が現実的な問題として見え始めるのもこの頃です。

この段階で情報を提供することで、社員の「なんとなく不安だな」という気持ちを、

「いざという時はこうすればいいんだ」という安心に変える第一歩になります。

また、「介護両立支援制度」について、個別の周知(対象の従業員に個別にお知らせすること)が必要です。
方法としては、
【周知の方法】
・面談の実施
・書面の交付
・ファックスや電子メール

となります。
「介護両立支援制度」については、前回のブログでお伝えしていますので、
是非ご覧ください。

(3)最後に

2025年4月からスタートした「育児・介護休業法」の新しいルール。
特に「40歳になったら情報提供」のポイントをもう一度おさらいします。
スタートは2025年4月1日。対象は会社の大きさに関係なくすべての会社。
40歳になる社員に、決められた期間内に、会社の介護サポート制度や相談窓口について、
決められた方法で伝える必要があります。

これは、ただ仕事が増える、ルールが厳しくなる、という話ではありません。
日本の社会が大きく変わっていく中で、働く人が安心してキャリアを続けられる環境を作るための、社会全体での大切な取組です 。  

改正にしっかりと対応することは、会社が「社員の人生に寄り添っていますよ」という姿勢を示す、絶好のチャンスです。
今回の法改正は、そのための、具体的で分かりやすい第一歩です。
社員が介護という問題に直面する前に、会社が先回りして「知識」というお守りを渡してあげること。
それは、ルールを守るだけでなく、社員の安心と信頼を育み、会社全体を強くするための、大切な一歩になるはずです。
ご不明な点やご不安な点がありましたら、ぜひお気軽に弊所までご相談ください!